現在、会社員の給与明細を見ると、税金関連ばかりでなく、多くの保険料の徴収が目に付く。
・健康保険
・厚生年金保険
・厚生年金基金
・雇用保険
・介護保険
特に、厚生年金保険の金額の大きさには呆れてしまうほどである。
ところが、これらの各種保険料は天引きされてしまうのに、被保険者である証明は「健康保険証」くらいなもので、
他の保険は、ただ被保険者になっていることを信じるのみ。。
そう、会社などが証明書を知らぬ間に預かっていたりするのである。
それは、まるで人買いが逃げられないように、身包み抑えているのに似ている。
それは、また日本の終身雇用制(労働力の確保)や源泉徴収税制(納税を確保)を維持するためのようにも見える。
まだ弊害がある。被保険者の自覚の喪失や、天引きではない者に、保険料を支払う者と支払わない者とを
つくりだすことだ。
既に、全ての保険が健全であるとは云えない状況で、我が国はその対策を保険料の引き上げや支払保険金の
引き下げ、新たな保険の創設と云う、「財産権の侵害」に当たる疑いのあることだけしか考え付かない
官僚社会主義国家なのだ。
我々会社員は、各保険制度を理解するとともに、ペイバックの方法や有効な使い方を考えることが重要だ。
納め過ぎへの検討も重要だ。
退職後の社会保険
健康保険
健康保険には自身の職業に応じて
・国民健康保険(自営業) |
・社会保険(民間企業) |
・共済組合(公務員) |
などの被保険者になるが、
退職後は、通常、
・再就職先の健康保険に加入 |
・元の健康保険を任意継続 |
・3親等以内の親族の被扶養者 |
・国民健康保険に加入 |
のいずれかを選択することになる。
自己負担額、被扶養家族負担額、保険料、被扶養者になると扶養手当の支給があるなどを
考慮し、加入可能な健康保険を比較して選択する必要がある。
誰でも病気はする為か、流石に、「健康保険証」だけは本人が所持している。
介護保険
新設された介護保険は、45歳に達した者から健康保険と同時に徴収されている。
支給は、介護が必要か否かの状況・境遇などの総合的な診断があり、等級化されて
受けられる介護の内容が決定される。
もし、状況や境遇に問題がないと、結局、これは掛け捨て保険と全く同じことになる。
つまり、自分で歩行できるなどの場合、或いは、周りに世話をしてくれる誰かがいると
介護「要」の等級にならないのだ。
この保険を維持するために、新たな資格・組織が設けられ、新たな資金がプールされることと
なったが、本当に国民の為に有効に使われて行くのだろうか?
介護施設の建設、天下り先の新設。。
ほくそえんでいる者の姿が見えるように思えるのは私だけではないと思う。
これも取り戻す方法を考える必要がある。
ところで、「介護保険被保険者証」はどこにあるのだろう?
雇用保険
雇用保険の被保険者は、65歳まで。
従って、保険料を支払うも失業給付を受けるも、65歳までなのだ。(掛け捨て保険と全く同じ)。
しかも、65歳以下で失業したからといって、全ての場合に失業給付を受けられる訳ではない。
掛け捨て保険のプールされた保険料はどこへ行ってしまっているのだろう?
1.失業給付を受けるには | |
| ・「雇用保険被保険者離職票」を希望することで勤め先から発行してもらう。 |
| ・この「離職票」を用いて職業安定所(ハローワーク)に手続きをする。 |
| *失業給付は、次の場合などでは給付されない |
| ・65歳を超える者(年金保険から支給の為) |
| ・進学、転職、開業の為の退職の場合 |
| | |
2.転職に際しては | | |
| ・「雇用保険被保険者証」を勤め先から返却してもらう。(なぜに被保険者が持っていないのだ?) |
| ・再就職先にこの「被保険者証」を提出して、雇用保険に再加入する。(提示だけで用は足るのに?) |
厚生年金保険
年金制度は、大きく分けて3種類からなるが、
国民年金の破綻を受けて法改正により、厚生年金から国民年金を補填するようになってしまった。
| 自営業者 | 会社員 | 公務員 |
| 本人 | 扶養家族 | 本人 | 扶養家族 | 本人 | 扶養家族 |
| 国民年金 | 国民年金 | 厚生年金 | 厚生年金 | 共済組合 | 共済組合 |
| 1号 | 1号 | 2号 | 3号 | 2号 | 3号 |
|
定額支給 | 基礎年金 | 基礎年金 | 基礎年金 | 基礎年金 | 基礎年金 | 基礎年金 |
実績比例 | | | 厚生年金 | 加給年金 | 共済年金 | 加給年金 |
職種配分 | | | | | 職域年金 | |
国民年金の保険料は一律 \13,300/月で、保険金(基礎年金)は定額で \67,000/月(\804,200/年)だ。
厚生年金の保険料をあなたはいくら支払っていますか? 納得できない不公平感です。
現在、年金受給者は、過って保険料を 1300万円納付し、年金を6000円以上受給しているという。
現在、40歳台の者は、ほぼ支払った保険料と年金受給額は等しくなるだろう。
現在、30歳台以降の者は、逆ざやが発生し、納付した保険料の方が多くなる。
現在、10歳の者に至っては、6000万円以上の保険料で、年金は2800万円の支給となる見込みだ。
ところが、この計算には共済組合は無関係らしい。。 お役人には「恩給」というのもあるらしい。
「国民年金手帳」と云うのがある。 国民年金に加入したときにお目に掛かるものだ。
退職後、国民年金に加入する必要があるから手に入れることができる。
どうも、厚生年金保険も共済会も「年金保険被保険者証」なるものは存在せず、退職時に
加入期間・保険料納付証明書のようなものしか存在しないらしい。
ところが、再就職した場合は、この「年金手帳」を再就職先に提出する必要がある。(提示ではない)
年金番号は、職業や加入している年金保険に関係なく、一生同じ番号である。
年金の切り替え
現在、厚生年金保険の加入者(2号被保険者)が60歳以降に退職するのであれば、年金を受けられるが、
注意すべき点は、配偶者などの扶養家族がいる場合、通常、彼女らは未だ60歳に達しておらず、
3号被保険者でもなくなるので、国民年金(1号保険者)に加入する必要があり、60歳に達するまでの間、
月々の保険料を納付する義務がある。
しかし、未加入期間や未支払期間の無い者は、25年以上加入しているはずであるから、年金を支給される
権利は既に取得しているものと思われるし、加給年金や後の振替加算の額に全く影響しない。
そして、60歳に達するまでの間に納付する保険料は、将来受け取る基礎年金の額にも影響は無い。
国民としての義務だけの納付だ。 当然、世のため人のための納付で、自己の保険ではないのだが。。
厚生年金基金
厚生年金基金は、公的年金(@国民年金(老齢基礎年金)、A厚生年金(老齢厚生年金))の上乗せ分。
企業年金であり、退職時の加入年数や年齢によって、受給できる年金基金の内容が変わるだが。。
年金区分 | 年金名称 | 原資 | 手続・支給者 |
公的年金 | 老齢基礎年金 | 国民年金 | 定額支給 | 厚生年金保険 | 社会保険事務所 |
老齢厚生年金 | 報酬比例部分 | 補正額(賃金・物価) |
基本年金 | 厚生年金基金 | 厚生年金基金 |
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加給年金 | 後、配偶者へ振替加算 | 厚生年金保険 | 社会保険事務所 |
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企業保障 | 加算年金 | 退職金(選択一時金分)で再投資 | 退職金 | 厚生年金基金 |
個人年金 | 一時払終身保険 | 退職金など(任意額分)で再投資 | 退職金など | 保険会社など |
積立終身保険 | 在職中に給料から毎月再投資 | 個人貯蓄 | 保険会社など |
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*なお、厚生年金保険が国民年金保険の破綻を補っている実態、共済会はそれをしていない。
また、公務員は、[老齢厚生年金]に代わる[退職共済年金]のほかに[職域年金]が上乗せされる。
公的年金は、民間人は2段構造、公務員は3段構造になり、公務員は民間人よりも優遇されている。
(企業年金とは言うが、退職金の年金化のことで、本来の年金と意味が異なる。)
・・・・・ 問題は「天下り」や「2〜3年毎の数千万円の退職金」だけじゃないのね。 |
- 基本年金(国の厚生年金「報酬比例部分」の一部代行分)
勤続期間が1ヶ月以上あれば、厚生年金(報酬比例部分)の一部が基本年金として、
基金から支給される。
支給開始年齢は60〜65歳(公的年金の老齢厚生年金支給開始時期に同じ)
*2002年4月1日以降に60歳に達する者の 60〜64歳までの間の基本年金の受給は、
・在職中 | 基本年金の20%が減額支給 |
・失業給付受給中 | 基本年金の全額が支給停止 |
- 脱退一時金/選択一時金/遺族一時金及び加算年金
退職金の内、基金からの支給分のこと
[退職金] = [会社支給額] + [脱退一時金/選択一時金/遺族一時金]
脱退一時金 | 加入期間:20年未満の場合に支給 |
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選択一時金 | 加入期間:20年以上の場合に支給 |
これを年金化することができ、それを「加算年金」といい、
支給開始年齢は60歳
[選択一時金] = [加算年金15年保証分の原資相当額] |
遺族一時金 | 加算適用加入期間:1年以上の場合に支給 |
・受給資格者が在職中の死亡の場合
・受給資格者が受給前に死亡の場合
・加算年金受給者の死亡の場合
[遺族一時金] = [加算年金15年保証分の原資相当額]− [加算年金既受給分] |
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